Endorphin

Spurs,競馬,麻雀

青春ブタ野郎

f:id:ryo3214run:20171107194301j:plain


鴨志田一著の<青春ブタ野郎>シリーズ
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』
青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない』
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない』
青春ブタ野郎はゆめ見る少女の夢を見ない』
青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない』
を読破。
近年のライトノベルでは希に見る傑作ではなかろうか。青春ラブコメとしては『とらドラ!』以来の出来に思う。会話劇がライトノベルらしくサクサク読めて、その勢いのままにページを繰れるのが心地よかった。これはライトノベルにとって最も重要な部分と考えているので何よりだった。だからといってラノベにありがちな寒いギャグ、フランク過ぎる言葉のチョイスに走ったわけではなく、絶妙な塩梅で、これこそ求めていたライトノベルだ!と声を大にして言いたくなる作品。

ストーリーの仕立てとしては、エロゲー、ギャルゲーといった所謂ビジュアルノベルに近い構想になっている。『Ever17』あたりに近いものを感じるかな。登場する女の子がひとりひとり問題を抱えていて、それに関して主人公が一巻完結で解決していくという。
どのルートも感動的であった。好みとしては『バニーガール先輩の夢を見ない』、『ロジカルウィッチの夢を見ない』、『おるすばん妹の夢を見ない』。特に『おるすばん妹の夢を見ない』のラストシーンは泣けた。
24歳の男がゴリゴリの青春ラブコメ小説を読んで感動のあまり泣くというのは、当事者の俺からしても甚だ滑稽だが、事実なので仕方がない。その滑稽の告白がこの素晴らしき小説に彩りを加えるどころか、汚物を塗りたくるような行為であることも重々わかっているが、承知の上で恥を告白するほどに良かったのだ。

『ハツコイ少女の夢を見ない』は完結編となっていて、そのラストは「ご都合主義」と言ってしまったらそれまでなんだけど、テクニカルな解決に頼らず愚直にハッピーエンドを描ききってくれたのは嬉しかった。桜島麻衣にも牧之原翔子にも幸せになって欲しかったので。

あかべぇそふとつぅの『ぼくの一人戦争』以来、エロゲーやギャルゲーの類いはプレイしていなかったのだが、ライトノベルを介して、そうしたビジュアルノベルをプレイした気分と後味を得られたのはとても嬉しい。ありがとう。