Endorphin

Spurs,競馬,麻雀

司令塔が復帰したスパーズ

f:id:ryo3214run:20171130202151j:plain

SAS97-91DAL
SAS86-98MIN
OKC101-104SAS
ATL85-96SAS
SAS90-107NOP
SAS106-86CHA
DAL108-115SAS
MEM95-104SAS

ここ最近のスパーズは、あまりにオフェンスが単調過ぎてゲームが退屈に思えてしまい、そこまで注意深く見ていなかった。あえて言うならば、カイルの独特なゲームメイクに面白味を見いだしていたぐらいだろうか。
そんな時に我らが司令塔トニー・パーカーが復帰。全てが上手くいったとは言えないが、直近のDAL戦、MEM戦はパーカーがオフェンスに彩りを与えてくれ、とても面白く観戦できた。
この復帰に最も恩恵を受けたのはLMAだろう。ここ2戦、とりわけMEM戦は残した数字もさることながら内容もとても良かった。文字通りゲームをドミネイトしていた。得点の取り方がポストアイソ連発ではなく、ハンドラーにスクリーンを掛けに行き、そこからのリムランなりポップなりで勝負していたのは好感。やはりカワイとLMAのアイソ連発では手詰まり感が否めなかったここ数シーズンだったので、カワイ不在とはいえLMAがボールムーブの中での得点ということに対して、答えを出し始めてくれているのは実に喜ばしい。
信頼できるハンドラーが1枚加わるだけで、ここまでゲームを変化させることができるのかと驚いた2戦であった。
パーカーとカワイ不在でチームとしては苦しんだ中でも、カイルという新たなハンドラー、選択肢を地道ながらも育ててこれたのは大きな収穫。パーカー同様にLMAを上手く使える技術と視野があるというのはチームにとって大きい。ポップからの信頼も完全に勝ち取れたように見受けられる。パーカーが復帰し、ここに更にカワイが復帰した時にどういったシナジーを生んでくれるのか非常に楽しみだ。

逆にパーカー復帰の煽りを受けてしまったのはスパーズファン諸氏が(当然俺もだが)大きな期待を寄せているデジョンテ・マレーだろう。開幕からの連勝中に見せてくれた躍動は早々に翳りを見せ、スタメンもパティに取って替えられることとなり、パーカーの復帰をもって出場時間も大幅に減ってしまった。
マレーの活躍が下火になった原因は、他チームにオフェンス面で完璧に対策されてしまったことが大きい。外角のシュートが不安定なのでマークマンは距離を取り、マレーがスクリーンを呼ぶようならば、すかさずヘッジを敢行してダブルチーム。これでマレーはオフェンス面での役割を完璧に破壊されてしまった。
昨シーズンから比較すれば、大きく基礎能力が向上したと思うが、やはりまだまだ足りないし、オフェンスに武器がない。トランジションで見せる躍動感には目を見張るものがあるが、それしかないような選手にするつもりはスパーズは毛頭ないだろうし、マレー自身も当然もっと高みを見ているだろう。
ディフェンスでは十分な戦力として数えることができるが、スパーズが将来のマレーに求める役割、マレーが描く将来像はトニー・パーカーのようなスターターPGなのだ。足りないものを挙げればキリがないが、それら課題をクリアし、スパーズのエースガードとしてコートに立つデジョンテ・マレーを夢見ながらも、マレーが階段を登っていく過程もまたじっくり楽しみたいと思う。

さて、10月と11月の行程を終え、現在スパーズは14勝7敗でウエストの3位。パーカーとカワイの不在期間を考えれば、まあ及第点だろう。プレイオフに焦点を合わせながら、どんどんチームの状態を上げていってもらいたい。